May 25, 2016

12月来日公演予定

ポゴレリチの年末来日公演に関して、現在判明している日程は

12月10日(土)リサイタル@サントリーホール
12月13日(火)19:00 読響定期@サントリーホール
12月17日(土)リサイタル@水戸芸術館
12月18日(日)リタイタル(?)@豊田市コンサートホール

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「ショパン・コンクールを聴く」(舩倉武一)アルファベータ・ブックス

ショパン・コンクールを聴く(舩倉武一・著)(アルファベータ・ブックス)

1980年の第10回コンクールにおける、ポゴレリチ落選事件についてかなりの字数が費やされています。ファンの方は必見です。ポゴレリチの目覚ましい登場から、各予選での演奏の成果、落選の騒動、そして表彰式での逸話にいたるまでの時間軸に沿った貴重な記録を読むことができます。

とりわけ私は、当時のポーランド、ユーゴスラヴィア、ソ連、それぞれの社会的政治的背景に関する舩倉氏の着眼点に感銘を受けました。ポゴレリチは現在に至るまで、「あのコンクールは政治的なものであった・私は不当に落選させられた」と主張しつづけており、そのことの真偽は容易に判断できるものではありませんが、ポゴレリチがその認識に至った理由が、この本を読むことで私なりに想像でき、理解できました。

その他、コンクール各回の主な出来事について言及があり、歴代優勝者のその後や、敗者でありながら現在も活躍を続けるピアニストたちなど、コンクール出身者たちの活動についても幅広く網羅されています。国際コンクールについて考えたい読者や、ショパン作品の演奏史に関心のある方々にとっても、楽しめる内容ではないかと思います。著者独自の深い考察が伺われますが、同時に、文体・分量ともに「読みやすさ」にも細やかに配慮されていることを感じました。

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May 22, 2016

12月来日公演チケット

年末の東京リサイタルのチケット発売案内が、Kajimotoのサイトに出ました。
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=540

2016年12月10日 (土) 19:00 開演 (18:30 開場)@サントリーホール
S¥13,000 A¥10,000 B¥7,000 C¥5,000 プラチナ券¥18,000

ショパン: バラード第2番 ヘ長調 op.38
ショパン: スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
シューマン: ウィーンの謝肉祭の道化 op.26
モーツァルト: 幻想曲 ハ短調 K.475
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.36

【カジモトイープラス会員限定先行受付】
6/16(木) 12:00 ~ 6/19(日) 18:00

【一般発売】
6/26(日) 10:00

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October 21, 2015

Happy Birthday

日本時間では既に10月21日になってしまいましたが、昨日20日はポゴレリチの57歳の誕生日でした。今年はショパン・コンクール開催の年となり、このコンクール期間中、ポゴレリチの名前と逸話に触れた書き込みがWeb上にしばしば登場しました。若かったポゴレリチがこのコンクール史上に残したものは、それほどに大きかったということだと思います。1980年の今日、ポゴレリチはまさにワルシャワにあり、セミファイナル落選という不本意な結果と、思いがけないスターダムの両方を手にしたところでした。3000人が詰めかけたという伝説の落選記念?演奏会がワルシャワで開催されたのは、1980年10月22日のことでした。

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October 11, 2015

DVD発売予定

以前からYouTubeには公開されていたポゴレリチの昔のテレビ番組映像が、このほど新たにDVDとして発売されるようです。2015/11/24発売予定とタワレコのサイトには出ています。
http://tower.jp/item/4081463/Ivo-Pogorelich---A-Film-by-Dan-Featherstone

内容は、多分これ↓の完全版だろうと思います。
https://youtu.be/ZmLvLeuYeiY

『夜のガスパール』を、今は亡きアリス・ケジュラッゼとともに仕上げていく過程を収録した映像で、若きポゴレリチの記録として大変価値あるものです。

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October 07, 2015

1年数ヶ月後の来日予定

ポゴレリチの名前が、来年12月13日の読響定期のソリストとして出ているそうです。ラフマニノフの2番を弾くとあります。しかもこの日のプログラムの最後にこの曲が書かれていますので、これが演奏順ということであれば、協奏曲が演奏会のメインということになります。指揮はオレグ・カエターニ、会場はサントリーホールです。

ミヒン@アリアCD@Mihin_Aria_CD
『読響の来年度プログラム、やっと届きました!』
(Twitter)

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February 05, 2015

DG録音全集

ポゴレリチ/DG録音全集(14CD)が、来る3月10日に発売されます。デビュー以来、98年に録音活動を休止するまでの間にドイツ・グラモフォンから出したディスク14枚の「全集」です。ベートーヴェンのソナタ32番など入手しにくくなっていたCDも復活することになり、この機会に一括して揃えたいとお考えの方にはこのうえない朗報なのではないかと思います。勿論、熱いファンやコレクターの方にも、是非(笑)。

ジャケット写真は、現在のポゴレリチを知っている者にとっては、ほとんど別人(!)。1981年撮影のデビュー直後のポートレートで、グラモフォンで録音活動を開始した当時の記念写真、という意図でしょうか。

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January 24, 2015

来日公演評

ポゴレリチの12月東京公演の評が、現在発売中の以下の雑誌に掲載されています。
・『音楽の友』2月号p.151(真嶋雄大氏。写真あり)
・『ショパン』2月号p.10(道下京子氏。写真あり。カラー)
・『MostlyClassic』3月号p.145(許光俊氏)

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January 22, 2015

London Calling

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イギリスの雑誌International Piano29号のカバーストーリーがポゴレリチです。2月24日のロンドン公演に先立ち、リサイタルプログラムについてポゴレリチが語っています。ロンドンでのリサイタルは15年ぶりですが、自分はロンドンから去った(=left)ことはないので、comebackしたわけでもない、単に再び登場(=appearance)しただけだ、と冒頭で発言しています。また、ポゴレリチは今も亡きケジュラッゼ女史の存在を背後に感じながら演奏をしており、演奏家としての彼がどこかの段階で自分のピアニズムを根底から変えなくてはならなくなることも生前の女史が予見していたそうで、事実はその通りになった、等々、非常に興味深い洞察が語られています。

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December 16, 2014

ポゴレリチ北京公演評

「京華時報」の北京公演評全文を、森岡 葉さまが翻訳して下さいました(お忙しいところ、本当にありがとうございました!)。演奏中にピアノの弦が切れてリサイタルが中断され、かわりのスタインウェイが急遽、奈落からせり上がってきて、演奏続行となった日の評です。

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【ピアノの弦を切った自由奔放なポゴレリチの自制心】

 前半のプログラム、リスト《ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲~》とシューマン《幻想曲》は、聴衆にとって難解だったかもしれない。とくにリストの増4度の不協和音、調を逸脱した半音の和音の連続が、旋律を“聴き難く”させ、多くの人の眠気を誘ったのではないだろうか。

 ポゴレリチのリスト《ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲~》は、全体として素晴らしかった。それぞれの段落の構想の違いをはっきりと聴き取りながら強いエネルギーを感じた。これは、鑑賞能力のある聴衆を惹きつけたと思う。若い演奏家には絶対に不可能な演奏だ。ポゴレリチのこの曲の演奏は厳粛で冷酷だった。おそらく彼にはこの曲に対する自身の哲学と宇宙観があり、奇をてらった解釈をしようとは思っていなかったはずだ。

 シューマン《幻想曲》は、きわめて遅い速度で始まり、故意に狂気じみたフレーズを封印しているように感じられた。楽譜の指示通りではなく、和声をダイレクトに衝突させ、暗い道へと突き進んでいるようだった。これは予想外の展開だった。《ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲~》と比べて、様々な細かい部分で考えさせられることが多かった。彼はこの作品で、ロマンティシズムにあふれる恋人への想いを情熱的に描こうとはせず、鋭さを隠して、自身の心に忠実に演奏しているように感じられた。多くのフレーズで、弱拍の和声をあえて弱く弾いていたと思う。

 《ペトルーシュカ》については、語るべき言葉が見つからない。ポゴレリチの演奏は常軌を逸し、楽曲の構成感は見えず、断片的な印象を受けた。しかし、やはり素晴らしかった。この曲の最後で、妙な音が聴こえた。スタインウェイの弦が切れたのだ。聴衆はみな立ち上がって写真を撮った。まさに拍手をしようと思っていたときだったので、残念だった。それほど、私は演奏に心を奪われていたのだ。

 弦が切れた原因は、前半のプログラムから《ペトルーシュカ》に至るまで、強音を弾く部分が中音域に集中していたため、量が質を変化させたのではないかと思う。もうひとつの原因は、ポゴレリチの全身の力を使った重力奏法が、指先に集中して爆発した瞬間、ピアノの弦にそれが伝わって大きな負担をかけたのかもしれない。

 この夜、私を最も興奮させたのは4曲目のブラームス《パガニーニの主題による変奏曲》だった。すでにポゴレリチは疲れ果て、もう弾けないのではないかと思ったのだが、最初のフレーズを聴いた瞬間に衝撃を受けた。これは、私がこれまでに聴いたこの曲のライヴ演奏の中で最も優れた演奏だったとあえて言いたい。すべての変奏を、彼は基本的に軽いタッチで弾き、私は会心の笑みを浮かべた。——ポゴレチは悪い奴だ、この曲を弾いた先達たちを後悔させるだろう。彼はそれぞれの変奏の音色を巧みにコントロールし、滑らかなタッチで、ひとつひとつのフレーズ、ひとつひとつの変奏が終わらずに次につながっていくよう考え、楽曲全体に統一感を与えていた。各変奏が強い推進力によってクライマックスに導かれ、それぞれの違いの妙を見事に表現していたのだ。華やかな技巧をひけらかすことが目的ではない《パガニーニの主題による変奏曲》を、私は初めて聴いた。私が聴き取ったのは、亡くなった妻への感傷ではなかった。彼は思いのままに自身の心情をぶちまけていたような気がする。

 前半と後半を通して彼の表現を考えると、リストは死神との厳粛で冷酷な対話、シューマンは自身との戦い、後半の《ペトルーシュカ》では何かを嘲笑い、最後のブラームスでは生命の終わりに向かって突き進んでいるような感覚にとらわれた。

 CDのジャケットの若々しいポゴレリチは少しずつ歳を重ねたが、私は何年か後の彼、10年、20年後の彼がどのように進化しているかが楽しみだ。彼が再び道を踏み外す心配はないし、凡庸なピアニストよりはるかに素晴らしいはずだ。実は彼はとても保守的なのだ。私はポゴレリチの今後の録音と演奏に期待し続けるだろう。最後に一言述べるならば、自由奔放であることを愛する人は、それを自制しなければならないことを知っている。     (「京華時報」馮鼎)

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