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February 03, 2005

佐渡裕氏のコメント2

佐渡裕氏のコメントが出て来る『夢の美術館』の録画を、知人宅で見せて貰うことが出来ました。番組の第二部「オランダ美術への旅」のところで、佐渡裕氏がレンブラントの自画像をいくつか鑑賞しつつ、最後にポゴレリチのことを話していらっしゃいました。

ここで取り上げられるレンブラントの軌跡そのものが、ある意味、ポゴレリチと符合しているかのような部分があるので、少し長くなりますが、コーナー全体の概要を以下にまとめておきます。

初めに、ボルドー・アキテーヌ管弦楽団を指揮する佐渡裕氏の姿が映ります。そして佐渡氏が、今、音楽における「光の表現」を追求しているということが紹介され、「光の絵画の傑作」として、まずフェルメールの『天文学者』が紹介されます。

佐渡氏は、「光の感覚というのがヨーロッパに来ていちばんの収穫だ。ここで光が当たっている。ここで音楽に神様が降りてくる、ということを考えている」という意味のことを仰います。

そして、ルーブル所蔵のレンブラント『画架の前の自画像』が映ります。この絵は、画面は暗く闇の中に顔だけが明るい光に照らされ浮かび上がっているという描き方になっていることや、レンブラント54歳、晩年の自画像であることが説明されます。

佐渡氏の感想は、「凄く面白い。上から彼に光が当たっている。まるで救われたい、神様はいるんだ、と。目が印象的。決して人生捨ててない、かと言って今から何かをしようと燃えているのでもない、優しさ・暖かみを感じてて」。

そして佐渡氏は、レンブラントの軌跡を辿って、アムステルダムへと向かいます。アムステルダム国立美術館にある、レンブラント36歳時の華やかな傑作『夜警』が映ります。

そして、同じ美術館にある、55歳時の自画像『聖パウロに扮した自画像』。佐渡氏は、
「(ルーブルのよりも)後だから表情が暗くなって行くのかなと思ったのに、こちらのほうがある意味、心の重心が高い。明るさを感じる、少しひょうきんな感じも」。

30代のレンブラントは超人気画家として、多数の肖像画の注文を受け、破格の報酬で、華やかな生活を送っていました。が、妻のサスキアを亡くすという突然の不幸が彼を襲います。妻の死後、肖像画の注文をほとんど受け入れなくなったレンブラントは、その一方で憑かれたように美術品のコレクションを買い集め、すさまじい浪費を続けます。そのため50歳でついに破産。全財産と邸宅も失い、画家の組合からも追放されてしまいます。が、この逆境の中から彼の新しい表現が生まれることになるのです。

ルーブル所蔵のレンブラント『エマウスの晩餐』が紹介されます。これは妻サスキアの死に始まるこの苦しい時代に生まれた傑作のひとつで、『夜警』のように派手な照明によってではなく、彼の内側からにじみ出す静かな光がキリストを照らし出している絵です。

続いて、『バテシバの水浴』、ふたりめの妻ヘンドリッケをモデルに描いた作品です。ヘンドリッケは晩年のレンブラントを支え、再び絵が描けるようにしてくれた女性で、この作品は女性の美を鑑賞するための裸体画ではなく、人間の重み・深みを捉えた名作となっています。

佐渡氏は最後に、ハーグに向かいます。ここにレンブラント最後の自画像があります。マウリッツハイス美術館所蔵、レンブラント「自画像」、63歳の作品です。二度目の妻ヘンドリッケにも先立たれ、最晩年のレンブラントは小さな借家で絵筆を取っていました。

佐渡氏はこの絵を見つめつつ、語ります。
陰の中に自分がいる。力が弱い。悲しそう、疲れている。でも静か
ピアニストにね、もう、忘れられないのがね、ポゴレリチというピアニストがいるんですけど、その人と・・・、ちょっとその人ね、もうピアノ活動をやめてしまったんですね、もう凄い有名な人だったんだけど、いろいろ精神的なこともあったらしくて。通常25分くらいのピアノ協奏曲だったんですが、彼と最後にやったときは、45分かかったんですよ。そのかわり、ふつう、「いち、に、さん、し」、くらいで動いて行く曲が「いち・・・・・・・・・・・、に・・・・・・・・・・・、さん・・・・・・」くらいのテンポなのね。もう指揮しているほうももう止まるか止まらないかくらいで。だけど、そのほんとに彼の弾いてる、深いなんかこう悲しみなのかわからないんだけど、そういう話もしていないんだけど、その彼の暗い奥の奥のほうになにか銀色でぴかっと輝いているものがあるように、一点だけ光が有るように思えて。(このレンブラントの最後の自画像は)そのときに経験したなんかこう、深さと、それから哀しさとか優しさとかそういう出したいものいっぱいあるんだけど、何か深いところに吸い込まれていくみたいな一枚ですね。このまま二時間三時間も話をしてそうな

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Comments

詳しく書いてくださってありがとうございます。
だいぶ記憶がなくなっていましたし、佐渡裕さんがいきなりポゴレリチの名を出したのでひょっとして聞き違いかも、とも思っていましたが、おかげさまではっきりしました。
よしこさんがトラックバックしてくださったホームページ(ブログですが)私が別の名でつくっているものです。(赤面)
「いつも行くページ」という欄にこちらのURLも載せさせていただこうかなと思いながら、私のところはあまりにもたいしたことがないので、言い出しかねていました。

Posted by: 瑠璃草 | February 05, 2005 10:06 PM

あれは瑠璃草様のブログだったのですね!
こちらのJohnClark様がコメントで言及してURLを貼って下さり、また私も別のページに検索で辿り着いたこともあって、とても共感して読ませて頂いていましたので、何かの機会にご挨拶させて頂ければと思っていたのですが、実は既に、こうしてお会いしていたのですね(^^ゞ。

とても素敵なBlogではありませんか!私は大好きです。HNの「良い香り」もとても納得できた気分です。よろしければこちらからもリンクを貼らせて頂きたいと思います。

今後ともどうぞよろしく御願い致します~。またポゴレリチの話題も取り上げて下さいませ。

Posted by: 転勤族の妻よしこ | February 06, 2005 11:10 AM

よく行くページの欄に載せさせていただきました。あまり目立たないのですが…
よしこさんのサイトはとても充実していて、それにひきかえ、私の方は行き当たりばったりで
お恥ずかしいかぎりですが、リンクを貼っていただけるなんて光栄です。(もちろん貼らない
自由もありますので、無理しないでくださいね)

Posted by: 瑠璃草 | February 07, 2005 10:45 PM

サイトのLINKSのほうに貼らせて頂きました。ご確認頂ければと思います(お名前はあれでよろしいでしょうか(^^)?その他、記載に関しても、御都合のよろしいようにさせて頂きますので、なんでも仰って下さいませ)。

Posted by: 転勤族の妻よしこ | February 07, 2005 11:56 PM

ありがとうございます。名前大丈夫です。なんだか実際以上にりっぱに見えて面映いですが…
こちらこそよろしくお願いいたします。

Posted by: 瑠璃草 | February 09, 2005 05:48 PM

こちらこそよろしく(^o^)です。これからも遊びに行かせて頂きますね~。

Posted by: 転勤族の妻よしこ | February 10, 2005 04:58 PM

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