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November 29, 2005

11月27日 NHK芸術劇場

ポゴレリチのインタビューが、先日27日のNHK『芸術劇場』で放映されました。「見そびれたので内容を教えて欲しい」というメールを複数、頂きましたので、概略ですが、記録しておきたいと思います。

まず、『芸術劇場』のタイトル画面とテーマ音楽に続いて、「おふたりのビッグアーティストのインタビューを紹介します」ということで、小澤征爾とポゴレリチの、それぞれの映像が流れます。ここでのポゴレリチは最初、タバコをふかしている横顔から写り、やがて正面カメラ目線になって、笑顔を見せます。バックに流れているのはラヴェルの『スカルボ』。

スタジオは森田美由紀アナと、ゲストの小曽根真さんで、小曽根さんが『ポゴレリチのことを最近まで知らなかったのだが、家内が知っていて、演奏会に自分は行けないけれど聴いていらっしゃいと言うので出かけたら、本当にびっくりした』という意味のことを話されます。

森田アナによるポゴレリチの紹介は、一般的に知られている経歴とショパン・コンクールの事件、それにアルゲリッチの「天才」発言で、画面には木之下晃氏の撮影による、10月23日サントリーホールのステージの写真が出ます。

ここからポゴレリチ本人の映像になり、まずバックにはハイドンの『ソナタ第19番第二楽章』の一部が流れ、10月27日長野県蓼科高原、というテロップが出て、ポゴレリチが高原ロッジのバルコニーみたいなところに立っている様子が映されます。服装は音友12月号に出ていた、チャイナ風の襟の、きらきら光る素材の服と、ハーフパンツで、それに扇子を持っています。頭はスキンヘッド、帽子などは無しです。

場面が変わって室内になり、ポゴレリチのバストショット。アリスとの出会いについて彼は語り始めます。
モスクワ音楽院に入ったばかりの頃、自分は疑問を抱えていた。何も習得できていない、音楽院も合っていないように思われて、何か新しい答えを探していた。そんなとき、アリスに出会った」。

DVDのバッハ『イギリス組曲第2番プレリュード』が画面に映り、初めてのアリスのレッスンがどれほど衝撃的だったかが語られます。
初めてのレッスンのあと自問した。自分は音楽の世界で踊りたいと思っているのに、まだ歩くことすら出来ていなかった。17歳の今、もう一度やり直すことが出来るだろうか

アリスは、たった一段の譜面に数時間もかけ、作曲家にも演奏者にも敬意を払うという、ポゴレリチにとって全く初めてのタイプの教師であったと彼は語ります。

バックはショパンの『夜想曲変ホ長調作品55-2』。
アリスと過ごして、実に多くのことを学んだ。レパートリーを増やし、視野を広げ、国境のみならず大陸を越えて演奏活動をした。自分を強く表現できるようになり、同じ理念のもとで演奏ができるようになった
しかし、アリスは癌の病状が悪化し、ついには亡くなってしまい、
世界が真っ暗になってしまった

背景に流れるのはバッハ『イギリス組曲第2番アルマンド』。
ポゴレリチはしかし、その失意の中で、新しい師マリーナに出会います。それは、再度の素晴らしい出会いであったと彼は語ります。
別の金のスプーンで、同じ飲み物を飲むような体験だった。若い頃には妻から、そして成熟したのちにはマリーナから、同じ純粋な知識を学ぶことが出来て幸運だったと思う

ショパン『ピアノ・ソナタ第2番第3楽章』のトリオ部分が静かに流れ、ポゴレリチは、これから、ドイツでポゴレリチ音楽祭を再開させる予定だと語ります。このほか、演奏会もあるので、
忙しくなります
と言いながら、ポゴレリチが自信満々の笑顔を見せたところで、インタビューは終わりです。

スタジオでは、このあと、森田アナが、NHKはこの演奏会を収録することが出来なかった、と話していました。やはりポゴレリチは、これまでの主義主張の通り、リサイタルそのものを収録して放映することは、許可しなかったと思われます。

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Comments

はじめまして、翻訳とピアノをしているおばさんです。息子は今年浪人の末、京大にいっています。芸術劇場見そびれたので、お知らせありがとうございます。それよりもショパンのポロ5番がありましたので、感激してでてきました。今年サークルノコンサートで別のサークルで2回ひきました。実は華麗なるポロネーズがすきなのですが、みんなにこちらのほうがあなたにあっているといわれて   仕事とピアノ、家庭の両立では毎日悪戦苦闘です。もっと気楽な生き方もあるのでしょうが、結局これしかないのでしょうか?Hpに下手な演奏、blogがあります。お遊びにいらしてください。

Posted by: nori | November 30, 2005 08:17 AM

nori様、ようこそおいで下さいました。ご挨拶させて頂くのは、確かに「初めまして」なのですが、私、どこかの掲示板で、nori様にはこっそりお目にかかっているかもしれません。HNを拝見して何か、記憶の中から蘇るものが、あるような・・・(^_^;)。

翻訳のプロとしてご活躍のうえ、ピアノも先生をなさるほどの腕前で、本当に二足のわらじ状態で精力的にお過ごしになっていますね!素晴らしい~!!

ショパンのポロネーズ第5番、私は全然弾けませんが、ポゴレリチが弾いたことがきっかけで大好きな曲になりました。長大で、ポロネーズだけでなくマズルカ風のリズムもあって、各部分のコントラストも際だっていて、難曲ですがとても盛りだくさんで弾きごたえのあるポロネーズなのではないかと想像しています。

サイトもblogも、これからまた遊びに行かせて頂きますね。どうぞ、ますますのご活躍を!

Posted by: 転妻よしこ | November 30, 2005 09:50 PM

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