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October 2008

October 30, 2008

Drinking from a different spring(1)

2006年8月21日付のドイツの新聞Die Weltに掲載された、ポゴレリチの長いインタビュー記事があり、掲載する機会を逸していたのですが、改めてご紹介したいと思います。ポゴレリチの話はロシア語か英語だっただろうと思われますが、記事原文はドイツ語です。ここに掲載するのは、Yahoo!PogorelichGroupの某氏の英訳を、私が更に和訳したものです。私のしていることは、なにぶんにも素人の訳ですので、流れの悪い箇所や、誤訳等、あるかもしれません。適宜、訂正もしたいと思います。

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マニュエル・ブルクが、クロアチアのピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチと語る。 その11年に及ぶ沈黙の事情、亡き妻であり師であったアリス・ケジュラッゼのこと、 そして、新たに見つけた生き甲斐について。

ドリアン・グレイは、大人になった。 後ろに束ねていた髪はもはや無く、 彼の頭は兵士のように短く刈られている。

イーヴォ・ポゴレリチ、47歳。
クロアチア出身の世界的ピアニストである。ベオグラード生まれ。 11歳のときピアノを学ぶためモスクワに送られ、10年間留学。 1980年ワルシャワで行われたショパン国際ピアノ・コンクールにおいて 優勝できなかったことにより、80年代クラシック音楽界の偶像となった。マルタ・アルゲリッチは、抗議の意思表示として審査員を辞任した。

挑発的な言動や、美しい羽根飾りを持つ極楽鳥のようなイメージで、 彼自身、その目眩のするような経歴に、次々と自分で燃料を投下して行った。老いも若きも、彼の演奏会に群がり、レコードはベストセラーになった。 批評は賛否両論まっぷたつに別れ、その中間というものはなかった。だが 1996年に、21歳年上の(訳注:14歳年上、の誤りでは?)、 妻であり師であったアリス・ケジュラッゼが亡くなったとき、彼は一気に世間の目の前から姿を消してしまった。以来、本当に稀な機会にしか姿を見せず、 エキセントリックな内容の、単発の演奏会ばかりを行うようになった。

ポゴレリチは今、iPodsもラン・ランも全く知らず、ルガーノに住み、 自分の楽しみとして宝石のデザインをしている。 8月27日と31日に、彼はワイマール芸術祭において、 トゥリンギア・ユース・オーケストラと共演し、 ラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』とプロコフィエフの『ピアノ協奏曲第3番』を弾くことになっている。

Die Welt:ピアニストとしての系譜において、あなたとフランツ・リストの間には、ほんの三代ほどのピアニストが入っているだけなのですね。それが、ワイマールで弾くことのひとつの理由ですか?リストとの関係性という意味で?

Pogorelich:そうです。信じられないということは、ないでしょう? そしてベートーヴェンまで遡るとすると、その系譜で私は七代目になります。 こうなったのは、すべて、ロシア皇帝の御陰、ということになるのですよ。 アントンとニコライのルビンシテイン兄弟がサンクトペテルブルクとモスクワに設立した音楽院において、 ロシア・ピアノ楽派を開くのを、ときの皇帝が支援しました。皇帝の行動は今日のドバイの首長たちのようなもので、彼はただ、一流のものを望んだだけだったのですが。それで、ツェルニーの弟子だったテオドル・レシェティツキーがウィーンからサンクトペテルブルクにやってきました。 しかしそこにはリスト本人もいたわけで。 それは私にとっては三角関係みたいなものです。私はサンクトペテルブルク音楽院の9番教室の修理を経済的に援助しましたが,そこでは、私の『祖先』のひとりが教鞭を執っていました。 また第二次世界大戦中には、学生のひとりがグルジアに送られ、そこでやがて私の妻を教えることになりました。ということで、私にしてみれば、ワイマールでひとつの円が
一周して完成するわけです。

D:そして、ワイマールでは、リストの本物の末裔である、ニケ・ワグナー女史が芸術監督を務めていますね

P:彼女は魅力的だ、あの毒舌さえ無ければね。でもそれも、彼女の立場では必要なものですよ

(続)

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October 27, 2008

パリ公演評

10月23日のパリ(サル・ガヴォ)でのポゴレリチのリサイタルに関して、下記で批評や感想が読めます。

Colosse aux pieds d’argile
TRISTE ET BEAU Pogorelich, Salle Gaveau, le 23 octobre 2008

前者はConcerto,netの評で、タイトルは「見かけ倒しの人」、・・・褒めてなさそうな雰囲気です(逃)。後者はフランス語のブログ記事で、「悲しく、美しく」、・・・こちらは何か見るべきものがあったという内容か(汗)。私の仏語力は甚だいい加減で、新聞みたいに事実の羅列なら辛うじて読めることもあるのですが、こういう抽象的な概念になるとサッパリです。勉強と思って自分で読解に挑戦すべきなのですが、できましたら、どなたか、お助けを~(懇願)。

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October 25, 2008

28年後の新たな騒動

この夏、ポゴレリチの動向が、ひとしきりヨーロッパの新聞他で取り沙汰されました。8月にワルシャワで行われた、4th International Music Festival "Chopin and his Europe"という音楽祭にポゴレリチは招聘されていたのですが、現地入りしてからポゴレリチは、自分は80年の第10回ショパン・コンクールの三次予選で落とされたことを、今でも心から納得しているわけではない、という意味の意思表示をしました。そして、予定されていたショパンの夜想曲作品55-2とソナタ3番の演奏を拒否し、ラフマニノフの協奏曲2番のみに出演するに留めました。

上記の音楽祭公式サイトにもあるように、今回の催しには、”From Pogorelich to Tchaikowsky"という副題までついており、彼は音楽祭の初日8月15日に演奏する予定になっていました。ポゴレリチは、現地で16日に即座に記者会見を開き、聴衆に対しては10月26日に単独のリサイタルを改めて設定することを約束し、今回のチケットを持っている観客を優遇する旨もそこで発表しました。
Ivo Pogorelich's first press conference in Poland

このポゴレリチの抗議は、8月中旬から下旬に渡って、ヨーロッパ各国で取り上げられ、いずれの新聞も「28年後にして、また新たなスキャンダルが」という内容の記事を掲載しています。
Ivo Pogorelic trazi odgovore nakon 28 godina
Пианист оспаривает итоги конкурса через 28 лет
28 ans après, un pianiste conteste sa défaite au Concours Chopin
Le pianiste Ivo Pogorelic règle ses comptes, 28 ans après
Ivo Pogorelic : en quète de vérité ou d’un nouveau scandale ?
Pogorelić želi znati zašto je izgubio na Chopinovu natjecanju prije 28 godina
Festiwal skandali i nadziei
Pogorelic will Warschau-Skandal neu aufrollen

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兄は今月、弟は来月に

10月23日にパリ公演を行ったイーヴォ・ポゴレリチですが、サル・ガヴォのサイトを見ると、来月には今度は弟のロヴロ・ポゴレリチが、やはりパリ公演を行う予定になっています。

Saison Salle gaveau
23 octobre 2008
Ivo Pogorelich
Co-pro Salle Gaveau/Opéra Garnier

20 novembre 2008
LOVRO POGORELICH
JM Fournier Prod / Intrada

ロヴロのほうのプログラムは、
バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ
シューマン:交響的練習曲 作品13
ムソルグスキー:展覧会の絵

が予定されています。
紹介記事を読むと、ロヴロがイーヴォの弟であることは触れられていますが、兄とは全く別の道を歩んでいるピアニストであるとも書かれています。実際に両者はピアノを学んだ過程も異なりますし、現在もほとんど接点はないであろうと思われます。ただ、ロヴロの今回の選曲は、イーヴォの手がけて来た曲と重なるもので、やはり兄弟で志向の似ている面はあるのかもしれません。

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October 09, 2008

今月のClassica Japan

今月、Classica Japanで放映される予定のポゴレリチの演奏は、以下の通りです。新しく収録されたものではありませんが、いろいろな曲目が放映されます。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調
[ピアノ]イヴォ・ポゴレリチ
[映像監督]ハンフリー・バ-トン
[収録]1987年1月エッカルトザウ城(ニーダーエスターライヒ、オーストリア)、約34分
2008年10月03日(金) 15:45
2008年10月07日(火) 09:15
2008年10月12日(日) 深夜 0:00

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調
[ピアノ]イヴォ・ポゴレリチ
[制作]1987年、約35分
2008年10月03日(金) 16:20
2008年10月07日(火) 09:50
2008年10月08日(水) 19:20
2008年10月12日(日) 深夜 0:35

スカルラッティ:ソナタ集
[ピアノ]イヴォ・ポゴレリチ
[収録]1987年1月エッカルトザウ城(ニーダーエスターライヒ)、約23分
2008年10月06日(月) 06:10
2008年10月11日(土) 深夜 0:05

ポゴレリチ・プレイズ・バッハ
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番イ短調BWV807、イギリス組曲第3番ト短調BWV808
[ピアノ]イヴォ・ポゴレリチ
[収録]1986年10月パラッツォ・パラディアーナ・ディ・カルドーニョ(ノルデラ、ヴィンチェンツァ近郊)、約55分
2008年10月07日(火) 17:00
2008年10月10日(金) 09:00
2008年10月15日(水) 深夜 2:00
2008年10月18日(土) 07:00
2008年10月20日(月) 04:00
2008年10月29日(水) 17:00

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